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唄に寄り添う響き

地方

おわらに欠かせない役割を担っているのが唄と楽器で奏でる「地方」です。地方は「唄い手」「囃子」「三味線」「太鼓」「胡弓」をいいます。三味線が出を弾き、胡弓が追います。太鼓が軽く叩かれ調子を上げると囃子が唄を誘います。唄は甲高い声で唄い出し息継ぎなしに詞の小節をうねらせ、唄は楽器に応え、楽器は唄に応えます。

唄が終わると「合いの手」と呼ばれる楽器だけの間

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奏曲が奏でられます。唄の旋律とまったく違う曲を演奏することは民謡では珍しいことといわれています。

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 三味線

おわらに最も欠かせないのが三味線です。おわらの三味線では「探り弾き」と呼ばれる演奏法で弦を押しつけ、なでるように弾くことで、おわら独特の重厚なリズムを生み出します。

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 胡弓

おわらにはなくてはならない哀調の音色を奏でる胡弓ですが、八尾では「目立ってはいけない楽器」として教えられる楽器です。
胡弓が松本勘玄によって取り入れられたのは、比較的新しい明治40年代のことです。輪島塗の旅職人であった勘玄が八尾に来たのは20歳の頃、明治30年代のことでした。勘玄は大阪で浄瑠璃修行をしていたことがあり、義太夫、端唄、長唄、小唄とあらゆる三味線音楽に通じていました。ある日八尾に越後瞽女の佐藤千代が訪れ、勘玄は胡弓に出会います。以来、おわらの唄と三味線に胡弓を合わせようと、日夜研究に励みました。その苦心の結果現在の哀愁を帯びた独特の旋律が生み出されました。

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 「胡弓」を作る

現在、胡弓を奏することが出来る者は少数で、製作者ともなると、その工法の難しさからか県内でも数えるほどしかいません。昔から、胡弓の奏者は楽器を自分で作ったものです。弾くときも昼と夜、内と外、民家と集会場とでは音が違い、環境に応じて楽器を弾き分けることができなければ、自分の思ういい音が出せません。納得できないのは、自分が一番よく知っています。

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そこで胡弓を弾くなら弓から作りなさいといわれています。「弘法は筆から作る」のです。
「胡弓」の澄んだ音を出す弓には、良い音色を奏でるために真っ直ぐな竹が必須です。弓は氷見産の孟宗竹が最適とされています。また、竹の採取時期とも無関係ではなく、竹の子から4年たった竹で10月1日~25日に採るものが、水分を含まず、歪みが生じないといわれています。さらに、工法にも様々な工夫がされており、薄く切った竹を5~6枚接着剤でつないだり(矯正のためもある)、上下性質の異なるものを使ったりします。白くて柔らかい竹は低音が利くのだそうです。
駒についても、黒檀、紫檀、いろいろ試したけれどやはり竹に戻るといわれています。柔らかくても固くても駄目。あの薄い駒を作るにも、竹の性格を読み、張り合わせ、削って、磨いて、厚さを調整して、あの形になります。極めれば美しい駒になります。

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 囃子

囃子は唄い手と混同されがちですが、唄い手の調子は囃子で決まると言われるほど大切な役割で、いわば地方における指揮者のような役割を果たします。

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 太鼓

太鼓は能や長唄に用いられる締太鼓です。唄の息継ぎを助けたり唄の調子を盛り上げたりする役目があります。

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